どうして昔話のお婆さんは悪者になるのか? 114

今日は夕方、家の近くにある図書館を久しぶりに覗いてみた。私は近頃『ふるさとの民話と祭り』について少しずつ調べているが、最近少し気がついた事がある。それは民話や昔話に出てくるお婆さんはどちらかと言うと、あまりいい役として語られてない。


意地悪婆さん、欲張り婆さん・嫁いびりの婆さんなどでいずれも罰があたる悪役が意外と多いのである。嫁と姑の関係においても昔から嫁が悪役として登場する事は少ない。昔からそうだがこの“嫁と姑”の関係は今でも随分あちらこちらで耳に入る。


勿論、姑は必ずしもお婆さんとは限らない、舅(しゅうと)もあるが、一般的に女性同士が圧倒的に多いようである。それは女性が家を預かり内ににいる時間が長いせいもあるだろう。最近は昔のように嫁も負けてはいないようで、逆に姑いびりもあると聞く。


爺さん、婆さんに限らず昔話に登場する悪役は、欲深く、怠け者、強欲、いじめ、残忍などの性格が多い。女性はこれに嫉妬が加わってくる。大体の物語のストーリーは似たところが多いものである。


一番多いのが、動物や鳥、あるいは困っている人を助けた善良なお爺さんがその見返りに、お金や宝物等を手にする福運に恵まれて幸せになる。それを耳にした隣の爺さんや婆さんが、それを真似ていい加減な事をしてそれらと同じいいに目に会おうとするが、途中で罰が当たり神仏の力で不幸な目にあってしまう。


話はきわめて単純だが、この中では宗教的な意味合いや道徳教育な面がかなり多い。昔は鳥などは神の使いであると言われるが、自然崇拝や禅の思想等も含まれる。今で言えば倫理観を教えようともしている。


先日ライブドア堀江被告ドラえもん)に実刑判決が下されたが。すごい才能がありながら『儲けのためなら何をしてもいい』 いわゆる何でもありの典型ともいえる。何はともあれ倫理観が強く問われたのである。 後の世でひょっとして昔の民話の台本として少しアレンジされ登場してくるかもしれない。 


悪役で登場してくるのか逆に“先進的な実業家”としてそれを阻止された悲劇のヒーローとして登場してくるかは分からない。いずれにしても昔話とはそんなものであり人々が裁いていくのである。詳しくは知らないが、今裁判官制度(専門家以外の一般の人が裁判官のひとりとなる制度)が検討されているが、昔から長い時間かけて民衆が裁いているケースがある。 話はすっかり脱線したが、意地悪婆さんを読んでてそうも思った・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★くつろぎの広場

★歳時記