会社の定年はどうして生まれたのか。 108

isikawanokinsan2007-03-18

三月の年度末を向かえ、いよいよ日本の会社では“人事異動の季節”である。私が所属する趣味の会でも、今年度の総括や来年度の方針、世話人の交代が話し合われている。今日もその事で歴史研究会の会合の後、先輩と少し話し合った。


この三月は団塊の世代に属する多くの退職する人がでる。自治体は今になって、退職金で大慌てであると報じられている。ところでこの会社の定年制は一体いつ頃から出来たのか? 昔、江戸時代などではあったのか少し調べてみた。(ひまなオヤジである・・・)


江戸時代では明確なものは見当たらない、文献では明治に入って旧日本軍で現役の定年制が設けられた事が初めて登場する。 明治の終わりには海軍工廠(こうしょう)で50歳を定年と規定されている。その後、だんだん広まっていき、公務員そして民間の会社へと採用されるようになったようだ。


1930年代から急速に企業に広まり、1981年に55歳が今の60歳となり今に至ったようである。 これがさらに長寿化・高齢化社会と共に1994年制定された65歳までの延長がなされようとしている。


しかし近畿地方の一部などでは古くから、60歳になると村の寄り合いや農村などの共同で行う作業を行う“村つとめ役”を跡取り息子にゆずって村の運営から離れ隠居する風習が伝統としてあり、その後は氏神様の守る役霜月祭りの世話など)に回る制度が残っているところもある。これも一種の定年制である。


世代交代と村役からの引退と、そして新しい神社の祭りの役わりとがうまく老若で分担された制度で、企業の定年とは違って単に世代交代だけでなく若い人達を育てる機能がしっかり村で出来ているところがなかなかすばらしいと思った。


いずれにしても、今、会社ではサラリーマンの関心事“人事異動”が行われる時期できっとそわそわ落ち着かないだろう。何故か現役時代が想い出される


★定年についてを知るHP http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%9A%E5%B9%B4


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★くつろぎの広場
・ほめられて、ご馳走になって、とばされる
・石の上、三年経てば、次の石
・頑張れよ、無理するなよ、休むなよ

                      (平成サラリーマン川柳より抜粋)
★歳時記
・紅梅や、見ぬ恋つくる、玉すだれ  松尾芭蕉



☆金沢卯辰山の入り口にある若い人の像 (撮影:3月17日)