利長と大仏とコロッケの街、“高岡” 105

isikawanokinsan2007-03-15

今日は仕事で、金沢から足を伸ばし富山市との中間にある地方都市“高岡”へ出かけた。駅前の某ホテルの責任者と商談の為である。北陸自動車道から現在建設中の能越自動車道東海自動車道を経由し能登まで続く道路)の高岡ICへさらに国道8号線を北へ走ると高岡市の中心部に着いた。


前日にアポイントを取ってあったが、目的地が近づいたので念のため先方へ電話をした。先方は急な用事で時間を1時間半位後にしてほしいとの事であった。仕方が無いので、JR高岡の駅前で時間をつぶすことにした。


高岡市と言えば人口約17万人で富山市についで富山県第2の都市である。富山の西部(呉西)にあり、駅のすぐ近くににある“高岡大仏”銅製で奈良・鎌倉と並ぶ“日本三大仏”に数えられる。“銅器の町高岡”を代表するものと言える。まずここへ足を運んだ。1745年に良寛が庶民の平和を祈り造ったが、最初は木造であったらしい、たびたびの火災消失により鋳物の青銅製に変わったようだ。地上より16.5mで重量65tで見ると大変バランスがいい形の整ったしかも落ち着きのある大仏である。


この近くには高岡古城公園”(高岡城跡)もあるが今日は時間も無いので、寄らなかった。次にJR高岡駅に向かったが、この町、やけに商店街のアーケードの多い町である。それに市内中心部は神社・寺院の屋根が目に付く。それに富山市と違い道路は狭く金沢に少し似ているが、市電が走りそれにしても交通渋滞が激しい


駅に向かう途中市内には“高岡コロッケ”の文字がかなり目に付くし、私も最近では名物としてよく聞く。ここ高岡は日本有数のコロッケの消費地であると聞いたが、なぜそうなったのかは知らない。(又勉強しておこう。)しばらくて駅の構内に入り、観光パンフレット等をもらった。気がついた事があった。“万葉の里”高岡と所々に書いてある。


『ええっ!』万葉の里”は私が以前勤務したこともし親戚もある“奈良の斑鳩(いかるが)”では無かったのか、駅の外に出ると大きな“人物像”が目に付いた。近くに寄って見るとあの万葉集』で有名な“大伴家持像”であった。そうかここは昔越中国府”(今の県都みたいなもの)が置かれ若き大伴家持(29歳)が国守(今の県知事)として5年間住んだと聞いたことがある。


その間220首近い歌を詠んだことにちなんだもので、市内あちらこちらにゆかりのものがあるのだった。高岡は正直すぐ隣の都市ではあるが、私は今までは通過するばかりで大仏と城跡公園・伝統工芸の銅器ぐらいしかあまり知らないのである。せっかく近くにいい所があっても、意外とそんなものかも知れない。


約束の時間にホテルに行ったが、もう30分待ってくれとの事で仕方なく待った。ようやく面会できたが、先方はすぐに電話が入り席を外す。その事を繰り返し実質のところ、話出来たのはせいぜい3〜4分であった。これもお客様だからしょうがないにしても、時間と費用の無駄使いだ。『何とも疲れた。』

予定もすっかり狂って、夕方近くになるし、次の予定のお客さんの所は又今度出直すことにした。帰ろうとすると前田利家墓所とゆう字が目に入り、今日はついてないし『行ってみるか』と車を向けた。学校の近くに墓所はあった。


墓所は大きな樹で覆われ中にはどでかい“石灯篭”があり驚いた。小さな堀に囲まれた所に加賀藩前田家二代藩主利長”の墓がある。三代藩主利常が造ったものだが利長は武将だ鳴らした初代利家に比べ地味であり、早くここ高岡に隠居したのである。この地高岡では銅器や漆器などの産業を奨励したばかりでなく、城主として町づくりに励んだのである。


藩主として利家なき跡、徳川との狭間の難しい時代に生きた利長についてはいづれ書くが、次に向かったのは、ここから参道のつづく利長の菩提寺、国宝“瑞龍寺である。ちょうど着いた頃少し薄暗くなり、拝観終了の時間であった。「しまった先にここに来るべきだった。」と思いながら門に近づくと、『拝観ですか、今日は終わりましたが、せっかくお越しになったのだからもし良かったら見て行ってください。門は閉めますが、裏出口を教えますから』とお坊さんが親切に言ってくれた。


本当にラッキーだった。誰もいない国宝の境内を無料で(通常500円)ひとり自由に見れるのである。暮れゆく境内はことさら静かである。さすがに鳳凰堂を思わせる左右対称の造り木目がきれいな凝った木造建築など本当にすばらしい。もっとじっくり見たいと思ったが帰り支度を急ぐ担当の人に悪いと思い、しばらくして裏木戸をくぐった。


帰りに日の落ちた池に遊ぶカモ達遠くまでつづく参道のすばらしさを目の前にし、すっかり先はどの心のもやもやはどこかに行ってしまった。本当についてる自分を感じた。高岡の町はいずれゆっくりもう一度訪れたい町である


高岡市の観光HP http://www.city.takaoka.toyama.jp/sangyo/0402/kankou/index.html


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★くつろぎの広場
・五十年、下天は栄え、天が泣き
・井の中の、蛙三匹、違う声
団塊の、老後国中、皺(しわ)だらけ
                                    (ぼけせん川柳)

★歳時記
・春の田に、進んで行くや、山の水  (梅 室)


☆誰もいない一人だけの“国宝瑞龍寺境内” (撮影:3月15日夕)

☆心休まる“瑞龍寺法堂”の内部  (撮影:3月25日夕)

☆どでかい灯篭が目に付く利長墓所  (撮影:3月15日夕)

☆町中に腰をすえる日本三大仏の“高岡大仏” (撮影:3月15日)


☆アーケードが目立つ高岡駅前通り  (撮影;3月25日)