朝から小雪が時々降る荒れた天気、ここ北陸でもこのところ春が遠のいたかのような感じの日が続く。今日は用事で白山神社表参道『おはぎ屋』に出かけた後、先日知人から案内を受けた小松市にある“酒蔵見学”へと出かけた。
お酒は“灘”(神戸市)をはじめ、山の多い日本では各地で造られているが、お酒を造るには米や水、麹(こうじ)などが必要で特に良質な水は不可欠と聞く。ここ白山麓を流れる手取川の扇状地、白山市鶴来(つるぎ)・松任(まっとう)・金沢市、小松市などでは白山の豊富な伏流水に恵まれ昔から多くの酒蔵があった。最近ははビールや焼酎・洋酒などの影響もあり、酒蔵も少し減ったようだが、この地では今でも新製品を創出したりしていろいろ工夫している元気な酒蔵も多くある。
その昔天下人“豊臣秀吉”が京都の醍醐で花見の宴を催した時、各地の大名が地元自慢の名産品(お酒)を献上した。その時加賀藩の前田利家公は地酒“加賀の菊酒”を持っていった。秀吉はこれを口にし『これはおいしい!加賀の菊酒が一番じゃ』と誉め称えたと言い伝えられている。
霊峰白山から流れる手取川の上流には野菊の咲き乱れる谷があり、ここから菊のしずくが川や伏流水に溶け込み独特の風味が生まれると聞く。又北陸の天候は麹を造るのにも適しており、古くから味噌や醤油などの“醸造産業”も盛んである。
お酒の仕込みのシーズンは10月から3月頃までの冬がいいと聞く。まもなく春とともにシーズンは終わるようだ。今日はその中で小松市にある酒蔵“加越”さんが一般客に酒蔵を開放するイベントが開かれていた。小雪の舞うあいにくの天気ではあったが思った以上に来場者がいた。
会社のスタッフも駐車場の案内、受付、テントの中でのグルメコーナーやきき酒のイベントで手分けして忙しいそうだ。酒蔵は小グループに分け、酒米の種類から始まり酒になるまでの製造工程を順番に説明してくれた。説明は決して上手とは言えないが、とてもよく分かり、私もお酒を造るのにこんなに時間と手間ひまがかかる事を初めて知った。大変参考になったし、従業員の方がお客様を熱心に一生懸命もてなす熱意もよく伝わってきた。 大変有意義なイベントであった。帰りは“関白しぼりりたて”のお酒をお土産に買ってきた。
これからの企業経営はいたずらに“儲け主義”だけに走るのではなく、地域とのふれあいの中で地域振興にも尽くす事が大切に思うし、その事が将来的にも企業の発展にもつながる事と思う。 機会が有れば身近なところでこんなイベントを見つけ参加してみるのもいいとも思う。
★酒蔵“加越”さんのHP http://www.kanpaku.co.jp/
★日本酒の案内HP http://www.japansake.or.jp/
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%85%92
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★くつろぎの広場
【ふるさとクイズ】(初級偏)
1.白山を水源としてない川はどれ?
①手取川 ②長良川 ③九頭竜川 ④黒部川
2.白山麓に生息する熊はどれ?
①北極熊 ②ヒグマ ③月の輪グマ ④白熊
3.白山神社は全国におおよそいくつあるか?
①1,500 ②2,000 ③3,000 ④4,000
(参考:白山市おもしろ五十話 答えはページの最後)
★歳時記
・春曉(しゅんぎょう)の、草木の眠り、うつくしく (大場白水朗)
☆遠のく春を待つ平野の風景 (撮影:3月11日)
☆酒蔵見学会と酒蔵の奥に静かにに眠る酒母(もと)のタンク (撮影:3月11日)
※クイズ答え:1.④ 2.③ 3.③