改めて知った日本のすばらしい風景。 94

isikawanokinsan2007-03-04

朝、5時少し前に目が覚めた。わずかに開いたホテルの窓のカーテン越しにきれいな月が見えた。 信州スキーツアーも最終日、私の今シーズンのスキーも例年よりもかなり早く終わろうとしている。窓辺に立ち少しカーテンを開いてみた。月明かりに照らされたゲレンデはひっそりと静まり返り、止まったリフトだけが黒く山のかなたに伸びていた。


午前中はホテルのすぐ前のゲレンデ『前山』で仲間が滑るところをビデオ撮り、今日はここ信州の志賀高原かなり暖かい。いつもより下着を一枚減らしてきてもまだ汗がでた。 雪質も悪くなったので、すぐ反対側の北斜面でもある『熊の湯ゲレンデ』に移動し仲間のスキー指導員によるレッスンを全員でうけた。


昼近くにスキーを切り上げ温泉につかり疲れを癒した。風呂上りに飲むビールの味はまた格別であった。 なんとも幸せを感じた時間でもあった。予定より一時間早くバスで現地を出発し帰路についた。


今年は事のほか信州も雪不足である。それでも志賀高原は標高が高いので白樺林がつづく林の中はまだ雪が残っていた。 バスはその林の中の曲がりくねった道を、くねくねとふもとに向け下って行った。 白樺林が時々途切れた間からは、遠くに白い山々の峰が続きそこからふもとにかけて何本もの白いスジ状のスキー場が見渡せる。 さすが信州は山々のスケールが大きい。 真っ青に晴れ渡ったこんなにすばらしい“山岳風景”を見るのは久しぶりであった。何だか気持ちも大きくなって来た。突然バスの前方に野生のサルの群れが現れ驚かされた。よく見るとそこは春の暖かい日が差し込む草むらであった。


バスは途中道の駅で休憩を取りながら、上信越自動車道を新潟へと入っていった。右手に台形のような真っ白い山が見えた。妙高高原である。以前スキーにはよく行ったところであるが、今日はひときはすばらしい眺めである。 バスの右も左も白い山並みがつづく。 あまりのすばらしい景色にバスの窓越しに何枚も写真を撮った。


やがてバスは北陸自動車道へ入った。 すぐ右手に春の日差しを受けた穏やかな日本海が目に飛び込んできた。 名立浜SAで休憩しトンネルをいくつも抜けながら、富山方面に向かう。糸魚川を過ぎた辺りから日本海に沿ってバスが走る。はるか遠くに水平線が見える何とものどかな海の風景である。
 

やがて長いトンネルを抜け富山県に入った。今度は左手に雄大北アルプス立山連峰の白い峰々が見えてきた。折りから日本海に沈もうとする真っ赤な大きな太陽が右手反対側に見える。その日差を受け山は一段と見事な風景を作り出す。そのふもとを建設中の新幹線の橋脚が真直ぐ横に伸びている。バスは時々大きな川に架かる橋を通過し金沢に向かった進んだ。


日本は国土が狭いが、特に“中部山岳地帯”は高い山が続き、そのふもとにはきちっと整備された“田園風景”が展開する。そしてここを過ぎると今度はすばらしい海の風景がすぐ見れる。しかも四季がはっきりしている。こんな国は数少ないのではないかと思う。 帰り道『大切にしたい日本の自然』を感じずにはいられなかった。


夜七時に無事我が家にかえり、週末三日間にわたった私の信州スキーツアーを終えた。明日からはまた気を引き締め仕事に励もうと思う。



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★くつろぎの広場
・真直ぐに、育ちすぎてる、庭の松
・この俺を、悪いやっちゃと、ほめた父
・そばにいる、夫が邪魔な、メロドラマ

                (万能川柳より)
★歳時記
・旅にある、ことも忘れて、朝寝かな (高浜虚子




☆信州志賀高原スキー場の山頂風景  (撮影:3月4日)

志賀高原スキー場から見た山岳風景  (撮影:3月4日)