志賀高原スキー場とホテルで感じた事 93 

isikawanokinsan2007-03-03

朝、目が覚めて窓のカーテンをそっと開けけてみた。山間に見える月がとてもきれいで、今日も晴れである。信州志賀高原のスキーツアー2日目。今日は少し離れた“奥志賀高原へとシャトルバスを使い出かける事となった。土曜日なのでバスはスキーヤーで込み合っていた。


バスは白樺林のつづく曲がりくねった道をアップダウンしながら走る。バスの窓からは見る山々にはあっちこっちにスキー場のゲレンデが見える。例年ならバスはタイヤチェーンをして走るのが今年は必要ないらしい。バスはゆっくりと林の中を何箇所かに止まりながらに進んだ。突然野生のサルがバスの前に現れた。この辺はうさぎや鹿・野鳥も多い。きゃあきゃあとはしゃぐ子供の声がした。声の方を見ると3〜4才の子供が二人、聞くと毎日自分達だけで乗り合いバスで地元の保育園に通っているらしい。たくましい田舎の子らである。 偉いぞ! 小さい時から親に頼らず自分で経験する。これからは生きていく上で大切な事である。


そう思いながら乗っていると、バスはやがてプリンスホテル東館”の前に着いた。我々はここで降りた。ゴンドラ乗り場まで歩くが少しあるし、シニア軍団だから近道のホテルの中を通って行くことにした。


リゾートホテルの中は土曜日でもある為か宿泊のスキー客がかなりいた。フロントの前を通りスキー場に近い裏出口までゆっくり館内を見ながら歩いた。ホテルの従業員はどの人も笑顔『いらっしゃいませ』 『ごゆっくりどうぞ』 『気をつけて行ってらっしゃい』と我々宿泊客でない人にも同じように丁寧に挨拶をする。


当たり前な事と言えばそれまでだが・・・大抵は規模が大きななればなるほど一人位はいい加減な人がいるものだが、今日出合った従業員はよく訓練されていた。なぜそれを書くかと言えば、昨晩こんな事が酒の席で話題になった。


我々が泊まっているホテルは決してリゾートホテルとしては小さい方ではない。しかしホテルのフロントの対応は、何故か笑顔もなく機械的で温かみを感じさせない。平たく言えば『偉そう』なのである。私だけがそう思うなのかなあーと思っていたが殆どの人がそう感じてみたいである。 それにバイキングの食事はと言うと味噌汁が煮詰まったのかやたら塩辛く味覚音痴の私でさえとても食べれたものではない。家の食事だって出来た頃には“味見”はする。


それを汁茶碗についでいる女性は、おそらく地元のパートかアルバイトであろうが少なくても責任者はチックするのは当然であろう。我々のメンバーは誰も文句は言わず、ただ食べなかっただけだが、おそらくこのホテルにはリピーターとして来る事は無いだろう。これが商売として一番怖いのである。経営者も責任でもある。


石川県の能登半島和倉温泉と呼ぶところがある。 お湯の温度も高く、能登島がすぐ前にあり一面に広がる“海の風景”は心和むおもむきがあるが、ここには『加賀屋』と言うこの辺では規模の大きい“和風旅館”がある。もてなしも面では毎年エージェントなどが実施している全国の旅館のコンテスト総合ランキングで連続して日本一である。


私も何度か泊まった事があるが、料金は決して安くはないが宿に着いてから帰るまでのもてなしと従業員の教育はさすがである。お客様に満足し喜んでいただき、そしてリピーターとして又来ていただく。商売の基本だが私はいろんなところへ行ってまず入った瞬間肌で感じる雰囲気と従業員の教育がきちっとできてるかに注意が行ってしまう。


定年退職したのに・・・・とは思うがこれは普段の生活でも同じである。なかなか人に頭を下げるのは難しいものである。 『実るほど頭(こうべ)をたれる稲穂かな』これも私の好きな昔からの言葉である。


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★歳時記
・雛祭る、都はずれや、桃の月  〈蕪 村)



志賀高原のリゾートホテル街 (撮影:3月3日)
 

長野オリンピックがなつかしい志賀高原プリンスホテル (撮影:3月3日)

☆雪山の林に続く動物の足跡 (撮影:3月3日)