一向一揆の戦いと金沢城の昔  87

isikawanokinsan2007-02-25

今日は昨日に引き続き、午後から白山市(旧鳥越村)にある道の駅一向一揆の里”歴史資料館で開かれているセミナーに出席した。


今日のセミナーのテーマは『吉崎と一向一揆(講師:波佐谷館長)と『鳥越城から金沢城の時代へ』(講師:木越金沢城研究調査室長)でる。会場には地元の歴史好きなお年寄り(男女)が多く、狭い小ホールはほぼ満員であった。 


この地は以前ブログ(10参照)にも書いたが、蓮如聖人吉崎福井県)に来て浄土真宗の布教を始めるとあっと言う間に広がり、各地で強大な勢力に膨れ上がり次第に地方を支配するようになった。 その後織田信長がこれを徹底的に弾圧を始めたが、これに抵抗したため戦いとなり、ついに真宗の拠点“大阪(石山)本願寺を陥落させたが、北陸の一向宗浄土真宗門徒)は命を投げ捨て信長軍(北陸地区総大将、柴田勝家)に徹底抗戦した。幾度かの戦いの後、ついに日本最後の一揆の砦“鳥越城”が陥落、女・子供を含む村民全員(鳥越・吉野などの山内衆)が玉砕、虐殺された歴史があるところである。


この時代に金沢の小立野台地でも“金沢御堂”(かなざわみどう)が本願寺の支援をうけ当時浄土真宗の拠点として造られた。それが今の金沢城の前進である。今でも地元では金沢の事を『おやま』と呼び尾山神社などもあるが、これは“御山”(おやま)つまり砦を兼ねた大きなお寺“金沢御堂”を当時の民衆がうやまって呼んだ事から引き継がれているとの事。


その後前田利家の入城により門前町から城下町として発展し今日に至るが。戦国武将の中で徳川家を除けば大きな大名の中では前田・細川家だけが明治まで続いたのであると言う。そこには落雷や火災により焼失した天守閣をあえて再建しなかったり、幕府にからいちゃもんをつけられない様、さまざまな配慮をしたようだ。時として権力に歯向かう真宗門徒達も上手に懐柔し大きなもめ事も起こさなかった。その事が今、白山一帯とともに世界遺産に向けた取り組みが本格化した金沢城の発掘調査”でも感じられると先生は言葉を結んだ。(金沢城は造られた経緯や地形は大阪城と似ている)


平安末期の源平合戦の頃より中世は北陸地方でも、地方の権力者と宗教(信仰)内部(身内)分裂が頻繁続き、それが戦いに発展し、そして民衆をも巻き込んでますます複雑になったようだ。その背景は複雑過ぎて、素人の私には到底まとめられない。 一向一揆にしても単に一向宗徒と権力との戦いだけの単純なものではないらしい。
(ここ北陸の地は昔から冬は雪に覆われる地形的なこともあり、民衆の結びつきは他の地区以上に強く、今でもある意味“封建的”であるがひめたる民衆のパワーがどこかで隠されている。)


日本全体が収拾が着かないほど乱れた戦国時代、これをほぼ統一した織田信長はやはり革命児であり、歴史を変えた人物と言えよう。 又それを引き継ぎ長期政権を作った徳川家康はかなり幸運な人だったとも思える。 歴史を考えると我々ひとり一人の一生は一瞬のまばたきする位短いと言われるが、本当にそう思えるようになった。


人間一生をどう生きるかはさまざまだが、少なくても歴史を少し知ると平家物語にも語られるように、いつの世でも“栄枯盛衰”をつくづく感じる。人の一生や一年は季節と同じである。 冬があれば必ず春がくる、そして秋がきてまた冬、これの繰り返しであるとも思う。 だから今悩みや、うまく行かない事が多くとも、何事にもじっと耐え時期を待つ事だと思う。必ず好転し春が来るものだ。 いくら考えても駄目な時はだめ。その内何とかなるさと、少しのんきに思うようになった。(極楽オヤジだ!) 


私の好きな言葉のひとつに(昨年亡くなった母親が以前よく言っていたが) 『人間、万事塞翁が馬』がある。 セミナーを終わり館の外へ出て、真上に一揆終焉の砦である鳥越城と二曲城を見上げると、何とはなしに約500年前の壮烈な戦いが目に浮かんだ。


☆道の駅「一向一揆の里」HP  http://www.hrr.mlit.go.jp/road/miti_eki/each_folder/ikkoikki/ikkoikki.html
一向一揆資料館案内HP  http://www.gogo8934.jp/contents/history/iframe/historic_spot.html#



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★くつろぎの広場
【ふるさとクイズ】 
1.長編小説「地上」で知られる島田清次郎白山市旧美川生まれ)が育った場所は?
  ①西茶屋街  ②ひがし茶屋街  ③主計町(かずえまち)  ④寺町
 2.次のうち、金沢と緯度が最も近い都市はどこ?
  ①いわき市  ②福島市  ③宇都宮市  ④甲府市
 3.金沢のほぼ南に位置するのはどこ?
  ①大津市  ②津市  ③高山市  ④浜松市
 
                (金沢検定より、答えはページの最後)

★歳時記
・手のひらに、かざって見るや、市の雛(ひな)  (小林一茶



一揆の砦“二曲城”(ふとげじょう)と歴史資料館  (撮影:2月25日午後)

☆石垣が語る金沢城の歴史  (撮影:1月10日)


※クイズ答え:1.①  2.③  3.②