“おひな祭り”の起源を考える。 80 

isikawanokinsan2007-02-18

今日、午前中は“鶴来ふるさと歴史研究会”の定例会に出席。今日は集まりが良く、席が足りないくらいだった。これも新しくお世話していただいている事務局の先輩の日頃の努力だと思う。


例会の今日の研究発表は“雛祭り(ひなまつり)の起源の考察”、と“日本の国家が出来るまでの一考察”の二ツのテーマで研究発表先輩からなされた。研究発表が終わった後『国歌、君が代のテーマについて、『研究テーマとしてふさわしくない』 『いや度胸ある研究テーマだ』といつものように、けんけんがくがくの議論が始まった。 確かにこのテーマは“腫れ物にさわる”ようなところがあり、我々の仲間であまり研究発表した人は少ないらしい。 諸説はあるが、“国歌君が代作曲は明治初期イギリスの音楽教師フェントンで、その後何回か書き直され、日本の黒田節(雅楽のメロディーが取り入れられ今日に至ったようだ。 歌詞をひとつひとつ解説すると、興味深い、かなりの昔、古今和歌集にすでに出てくる。 詳細は省くが、九州博多沿岸の王者、筑紫の君への賛歌として唱えられた説も有る。(テーマの論議はともかくとして私には面白かった。)


さて聖バレンタインデーも終わり、今度は日本に古くから伝わる、女の子の節句“ひな祭り”だ。この起源には当然神社が関係する。年末年始と同じで、日本はよくよく多神教国家”だとも思う。 有る意味極楽国家だが、果てしない“宗教戦争に明け暮れる国から見ればましかも知れない。


“お雛祭りの起源”は遠い昔にさかのぼる事、今から1876年前古史古伝『秀真伝』(ほつまつたえ)の中に登場する。
越国(今の北陸地方の 日成るの岳の 神宮に 木の実を持ちて 生まれせば 庭に植えをく。 三年のち 弥生の三日に ・・・・・・・・・・・・』とつづく
きわめて情緒有る美しい七・五調の響きで歌われている。


解説文『越の国の陽光がよく降り注ぐ丘に建つ或るお宮に、御子がお生まれになった。不思議なことに御子は木の実を手にしてお生まれになったので、その木の実を庭に植えたところ、三年たった三月三日に成長した木には花と実がそれぞれ百づつ成ったのである。その木は「百」(もも)にちなんで“桃の花”(木)と呼んだ。男の御子の名をモモヒナキノ命、(みこと) 姫の名をモモヒナミノ命とおつけして、お二人を慶祝申し上げたのである。 そしてその時から、「木」と「実」にちなんで男神の名には名前の後に「キ」を、女神の名には「ミ」をつける習わしとなったのである。「キ」と「ミ」と合わさった「キミ」は、男神女神一対の意味があるのだ。


お二人は立派に成人され、やがて婚礼の儀がとり行われる事になった。婚礼の儀は成長した桃の木にちなみ、三月三日に行われた。 ちょうどその日に、御酒を造って献上した神がいたので、そのお神酒をお二人は桃の下で勧め合い、また夜には、盃(さかずき)のなかに月の姿が映し出されお神酒を勧め合ったのだった。
御酒(ミキ)にちなみ、先に「ミ」の女神が飲まれ、次に「キ」の男神が飲まれた。そして夫婦和合をされたのである。 また、桃の木の三年と三月三日の婚礼の日に合わせたもので、婚礼の祝賀のお酒は三・三・九度に飲むしきたりが生まれたのである。 またこの御酒は神聖な床酒であった。』(清川理一郎訳)
つまり“雛祭り”の起源は現代の“婚礼の儀”に通じていたとは私も初めて知った。


その他、流し雛などひな祭りの起源は諸説が有る様だが、私は紹介した説が何となくロマンチックで好きである。 いずれにしても現代何となく行っている祭事も研究するととても興味深いし面白いものである。


バレンタインデーでチョコレート送り送られた若いカップが、来年のひな祭りには,昨日挙式した陣内・藤原紀香さんのように、めでたく三々九度の盃を交わすことを祈る。そして子供も是非たくさんつくってもらいたい。 余計なお世話?・・・・ (ただし義理チョコを貰ったオジサン達は間違っても勘違いして家庭騒動を起こさないように!)


午後からおはぎ屋で新聞社の若い記者(息子のような)の方と少し話し、小松市のまいぶん(埋蔵文化財)講座、フォーラム弥生時代の西と東』に参加し、夕方は図書館と近くの温泉でゆっくり、相変わらず今日も妻があきれるようにじっと出来ない私だった。


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★くつろぎの広場
・ボーナス日、妻にもえくぼが、あったのか
・定年の、夫にエプロン、プレゼント
・ごろ寝した、オレをまたぐな、古女房
  
            (サラリーマン川柳傑作選より)
★歳時記
・地をおほふ、靄(もや)に雨水の、日の夕べ  (井沢正江)



☆二人と一匹しかいない我が家のささやかな雛人形 (撮影:2月17日)

☆研究成果を発表し合う、ふるさと歴史研究会定例会 (撮影:2月17日)