“義理(感謝)チョコ”とバレンタインデーに思う。 75

isikawanokinsan2007-02-13

今日はすばらしく晴れた気持ちのいい朝だった。午後から仕事で金沢の市内へ、香林坊のど真ん中のファッションビル“アトリオ”へ寄った。1Fホールには“バレンタインデー”の鮮やかな飾りが目に付く。地下食品売り場ではカラフルな包装が施されたチョコレート一色でかなりのスペースを取り最後の追い込みで賑わっていた。 誰が考えたのか日本いや世界中がバレンタインデーを迎える。


★聖バレンタイン:269年頃殉教死したローマの司祭の記念日で日本では50年前頃より流行。一般的にはこの日に愛する人に(主に女性から男性へ)贈り物をする。チョコレートがもっとも多いが、最近はそれ以外の物も多くなった。国によって贈り物も違うし、必ずしも女の人から男の人に送るとは限らない】


★チョコレート調査:20〜30代女性会社員の平均予算、本命チョコ2480円・義理チョコ799円、16〜39才の未婚女性ではやや少ないようだが、最近は高級志向化が進んでいる。購入予定内訳は「夫、彼氏」71%・「会社の上司」48%・「家族」44%である。ちなみに会社での義理チョコに否定的な意見74%である。(ネット会社・バレンタイン調査より)】
 

私が定年退職したのは昨年1月、現役の時はこの日になると会社の机の引き出しには必ず“義理チョコ”が数個入っていた。 たいていは会社の女性達が共同で購入したり、会社に出入りしている保険のおばちゃんやヤクルトおばさん達からの物である。 ところが昨年は退職するとまったく事情が違った。 “義理チョコ”すらくれる人はいないのだ。おまけに一昨年秋、長男が結婚し、近くに別居し我が家から移ったので、いつも息子へのおすそ分けみたいな妻からの“ついでチョコ”も、もらはなかった気がする。(忘れたのか知れないが・・・) 私が定年を強く感じたのはこのささやかな事でもあった。 幸い一日遅れで知人の女性たちから“義理チョコ”を贈られ何とかゼロだけは免れた思い出がある。


普段当たり前見たいに思い受け取っている“義理チョコ”も考えてみると感謝すべきことであると言いたい。当然の事だが、まったく関係ない女性からもらえるはずがないのである。 若い人は別として、特に会社でたくさん貰う(偉い)人ほど自分が定年を向かえた時の事をもう一度考えてみるべきではないだろうか。 『たかが義理チョコ、されど義理チョコ』である。


人間贈り物をされてうれしくない人はいない。 日本人特に年配の男性は(私も含め)『釣った魚にえさは・・』や『女にゴマするのは男の・・・』 などと言って女性に贈り物など恥ずかしくてしないケースが多いが、定年後は特に会社でゴマする必要が無くなったのだから、家では少しはゴマをするようにする必要が有るのでは・・・・


退職後ふらふらどこへでも首を突っ込んだ私は、お陰で今は新しい知人も出来、今年は何とか“義理チョコ”ごとき(少し強気だが・・・)で惨めな思いをしなくてもいいようだ。

私も一句、『義理チョコも、もらえぬ春に、歳を知り』
     『義理チョコを、くれる熟年、花に見え』
     

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★一口メモ
【金沢香林坊(こうりんぼ):金沢市の繁華街、藩政時代には総門が設けられ、北国街道と城に通じる広坂通りが交差する交通の要所であった。城下の発展とともに栄え、明治・大正時代には片町へと続く繁華街に変わっていった。裏通りに用水が流れ、今も金沢の中心として賑わっている。 名前の由来は昔“香林坊”と呼ぶ坊舎や僧の名前から呼ぶようになったとも伝えられている

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★くつろぎの広場
・老人と、女が観ている、失楽園
・畳でも、取り替えるべかと、妻に聞く
・このご恩、忘れませんと、言い忘れ

                (ぼけせん川柳より抜粋)

★歳時記
・手を取りて、春の日和の、爺と婆  (藤田藤冶)



☆バレンタインデーのディスプレイ (撮影:2月1日)

☆カラフルなチョコレートが並ぶ店内 (撮影:2月1日)