雪のない今年の冬と、38豪雪の思い出。 63

isikawanokinsan2007-02-01

今日から2月、朝起きて外を見ると、周りの家の屋根に少しだが白い雪が積もっていた。遠くに見える山は雪雲の中で白く煙っている。久しぶりの雪だ、何しろ1月は金沢では積雪なし、これは明治20年(1887年)金沢気象台が観測始めて以来の記録だと言う。エルニーニョ現象などの影響だと新聞で報道されていた。やはりあまりに雪が降らない日が続くと北陸は季節感が乏しい感じがしていた。


今日の日中は時々雪が降り、夜には少し積もった。やっと冬らしい感じもするし、雪不足に悩むスキー場はじめ、これから始まる山麓の雪のイベントもこれで一安心だ。 特に白山市旧白峰地区で開かれる“雪だるま祭り” (桑島地区2/5・白峰地区2/9) は今や全国的にも有名“雪のイベント” 私の一番のお薦めイベントでもある、是非機会が有れば見てほしい。村中がいろんな形をしたユニークな雪だるまがあり、そのお腹の中にともるローソクの火が何とも幻想的で、村を歩きながら大人も子供も楽しめる。それに村民上げてあたたかい心で歓迎してくれるのがありがたい。


しかし、ここは日本でも有数の豪雪地帯、毎年屋根雪下しを数回行なわねばならないところだ。(最近は屋根雪下ろしが大変なので屋根に融雪装置がついてる家が多い)この集落は昔は雪でよく孤立した。特に“38豪雪”(昭和38年豪雪)の時は長期間孤立し物資の輸送はヘリコブターに頼るしかなかった。


“38年豪雪”それは思い出してもすごかった。当時私は高校2年生の時だった。この年の1月7日に奥能登地区をおそった津波は3mにも達し、各地の道路網はずたずた。そして数日後の1月11日から降りり出した雪はやまず、“猛吹雪”が3日3晩続き一歩も外へ出られない状態であった。23日には普段比較的雪の少ない金沢市もついに約140cmを記録し建物の倒壊が相次ぎ、勿論県内すべての交通網が寸断され各地で孤立が相次いだ。当時私は比較的雪の少ない海岸沿いの現『かほく市』(能登の入り口) に住んでいたが、連日の吹雪で家に閉じ込められ、ようやく雪がやんだので外へ出ようとしたが玄関の戸が開かない、無理してこじ開けると、玄関へどさっと雪が入り込んだ。それもそのはず何と、人の背丈ほどの雪が積もり道路に出ようとも何ともしょうがなかった。2階から出入りする人までいた。そんな状態だから勿論汽車・電車や車も動くはずが無い、学校も会社も当然行くことすら出来ない、ラッセル車や物資郵送の貨物列車蒸気機関車)も脱線する始末だった。まずは町全体の住民が総動員除雪からはじめた。川は雪捨てトラックで列を成した。 数日後金沢へ行く電車(気動車が初めて動くと聞き、とにかく学校もあるので、七尾線金沢市に有る姉の家まで行くことにした。(学校の体育の時間は通学路の除雪ばかりであったが)


駅へ行くと、駅員が電車はいつ来るか分からないし、金沢までどれだけかかるか分からない。それでも良かったら乗ってくれ。3時間近く待たされてようやく乗る事ができた。意外な事に車内はガラガラだった。普段は30分あまりで金沢駅に着くが、ゆっくり少し走ったかと思うとすぐ止まった。雪は前が見えないほど激しく降り出す。そのうち完全に止まってしまった。そして運転手ともう一人が電車から降りてスコップで電車の前を除雪を始めた。これにはさすがに驚いたが、雪の吹き溜まりが有るらしい。少し動いて又除雪の繰り返し、その内乗客が交代で手伝いだした。私も降りて電車の前の除雪をするが、何しろ寒く手が痛かった、雪をどけても風ですぐ戻される。何と金沢駅まで7時間近くもかかってたどり着いた。


“大雪”になるといつもこの時のことが頭をよぎる。まさに雪との戦い、小さい人間が大自然と闘う 竹やりで戦闘機と戦うみたいなもの、人間は自然を征服したように錯覚しているが、時として自然はいつ人間を襲うかもしれない。地球温暖化などで自然を破壊するといつかは大きなシッペ返しをされるかも知れない。
白峰村については後日詳しく紹介します。)


☆雪だるま祭り案内HP http://hakusan-no-megumi.jp/nature/gallery.php?M=tag&P=%C0%E3%A4%C0%A4%EB%A4%DE
http://www.gogo8934.jp/contents/calendar/iframe/calendar.html#

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★くつろぎの広場
・参観日、指輪で勝って、子で負ける
酢豆腐と、親父が読んでる、ヨーグルト
・日本中、貧乏だった、いい時代
        
       (ぼけせん川柳ベスト100より)
★歳時記
・帰り来て、駅より低き、寒の街 (石田波郷



☆近所の玄関でアクビする除雪用具 (撮影:1月30日午前)


☆久しぶりの今日の2月の雪景色 (撮影:2月1日)


☆“雪だるま祭り”見に来てね。 (撮影:昨年2月)