昔の暮らしと御触書(おふれがき) 59

isikawanokinsan2007-01-28

今日は町内の壮年部のマージャン大会兼新年会に出席し、久しぶりに同じ町内の人達と楽しい時を過ごした。岩魚(いわな)のコツ酒がおいしくて、つい飲みすぎ久しぶりに少し足元もふらついた。家に帰りブログを書くことも忘れ寝てしまった。(私はマージャンは下手くそで、年1回ぐらいしか今はしない)
 
昨日、行きたいと思っていた“石川県立歴史博物館”企画展“新春を祝う” 『明けてびっくりお正月展』(1/4〜2/4)を見に行った。 県立歴史博物館は兼六園のすぐ近くの“本多の森公園”の一角にある。ここには歴史博物館はじめ、県立美術館・能楽堂などの文化施設が多くある。昔、この辺は加賀藩筆頭家老本多家の屋敷があり、戦後は金沢美大兼六園野球場・アメリカ文化センターなどの用地として利用されていた。古くからの文化財も多く緑濃い落ち着いた金沢らしい良い所である。歴史博物館は日本陸軍が兵器庫として使っていたものを転用したもので、当時のレンガ造りがそのまま残る風情ある建物である。

中に入る“江戸時代の正月”に当時使われた品々が多数展示してあり、説明もきちっとしてあり思わず「へぇー」を連発してしまった。 門つけ(玄関飾り)・お餅飾り・和菓子・万歳・羽子板・辻占・起き上がり子法師・鯛の金華糖・初売り・初夢のおまじない・節分・サギチョウなどなど多数展示してあった。どれも面白くつい時間を忘れてしまう。 (館内はもちろん撮影禁止なので残念だが写真で紹介はできない。)

ぐるっと一通りみて、常設の展示室に行った。 今まで何度か行ったが、昔の生活を知る上でいろいろ参考になるものも多い。ここで面白いものが目に付いたので紹介する。 それは『慶安の御触書』だ、当時(1649年、今から約350年前)江戸幕府が農民などを統制するために出した“32条の御触書” その一部を参考のため書く。


【第五条】 朝は早く起き、牛馬の為の草刈り、昼は田畑の耕作、晩は縄をない俵をあみ、それぞれ仕事を怠けずに行う事。
【第6条】 酒や茶を買って飲んではいけない。
【第11条】 食料の少ない冬を思い食べ物を大切にし、粟(あわ)・麦・大根などの雑穀を作って食べ、みだりに米を食べる事がないように。
【第14条】 男も女もよなべしてよく働きなさい、美人の女房であっても茶をたくさん飲んだり、遊びに行くようならば離婚しなさい、そうではなく子をたくさん産み情け深い女房ならば最高だ。また美人でなくとも夫や家庭を大切にする女房を授かりなさい。
【第16条】 百姓は、麻や木綿の衣服以外は着てはならない。帯や裏地にも使ってはいけない。
【第23条】 たばこを吸ってはいけない。食料にはならないし、身体の為にもならない、その上時間も無駄になるしお金もかかるし、火の用心にも悪い、すべてに無駄なことばかりである。


加賀藩でもこれ以外独自に『二日読』(ふつかよみ)の82か条の“御定書”をだし
十村(とむら=庄屋)や村役人を通じ農民に徹底した。昔の庶民の生活を知る上で面白いし、改めて振り返ってみるのもいい。

☆石川県立歴史博物館HP http://www.pref.ishikawa.jp/muse/rekihaku/


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★くつろぎの広場
・初夢は、はるか沖行く、宝船
・ビンボーと、聞こえるチャイム、変えてみる
・新品の、ままでミシンは、古くなり
              
 (万能川柳より抜粋)
★歳時記
・寒の雨、芝生のなかに、たまりけり   (久保田太郎)





☆夕暮れの石川県立歴史博物館 (撮影:1月27日夕)