『おはぎ屋』にみる、“もてなしの心”と“地域振興” 58

isikawanokinsan2007-01-27

バリバリ、ドシン、家が揺れるぐらいにすごい音で目が覚めた。周りは真っ暗、時計を見るとまだ夜中の3時半だ。私はすぐに寝付くし眠りは深い、目が醒める事はめったに無いがすごい音だった。続いて一瞬ピカッと雷光、又バリバリ空が破れそうな感じだ。来たな“北陸の冬雷”(ブログ2参照) しかしそれほど寒さは感じなかった。


朝、家の外もさほど寒くは無く今日は小雨の降る天気だ。
白山比竎(ひめ)神社表参道『おはぎ屋』の店当番兼事務所当番の為出掛けた。以前何度か紹介したが、(ブログ3参照) 神社の大鳥居のある表参道は店が1軒も無くなり最近までさびれていた。昨年秋、地元住民・商工会・観光団体などが古民家を改装し、、いっぷく処『おはぎ屋』オープンさせた。
こんな何も無いさびれた寂しい所に一体何人の人が来てくれるのか? これを立ち上げた人ですら半信半疑だった。ましてや周りは多少冷ややかな目と、興味とで注目して見ていた。


観光ボランティアガイドNPO法人 加賀白山ようござった』はこれを機にすぐ近くの北陸鉄道“加賀一宮駅 の仮事務所からここへ移り、おはぎ屋の運営委託を受け中心的な役割をすることになった。


そもそもこのボランティアガイド団体は4年ほど前、地元の歴史や我が町に関心のある人たち数人で始め、今は、郷土歴史家・住職・元校長先生・地域役員・自然観察員・元バスガイドなど多彩で、約40名近いそれぞれの地域に根づいた会員(年配者が多く私はこの中ではまだ若手?だ)を持つ、NPO法人となった。日常もNPO法人として積極的に事業活動を行い、今や石川県の観光ボランティア団体の中心的な役割もしている。


おはぎ屋の日常の運営・企画も観光ボランティアガイドをしながら、この団体が中心でやっている。努力の甲斐あって、平日も含め数多くの人が来るようになり、地元の“メディア”でも数多く取り上げれるようになった。行政も注目しいろいろ地域活性化の話を持ち込むことになり、一躍脚光を浴びだした。その活動は地元TV局が一年間取材し2月中旬に放映するとの事。しかし成功しつつ有るとは言え、ボランティア団体である以上抱える今後の課題もまだまだ多く地元の人達の理解・協力や調和もさらに慎重に進めなければならない。この点は役員会・定例会でもいろいろ運営に対しての論議がなされている。しかし“地域振興”に大いに貢献している事は間違いない。


ところで、この店はリピーターや常連のファンも多くなりつつあり、他県から尋ねて来る人も多くなった。なぜこれだけ人(お年寄りも若い人も)が店に来るのか? もちろんメディアでの取り上げ行政・地域の人の熱心な取り組みも有り、積極的な企画もあるが、それは“店の雰囲気” が大きいように思う。 古民家をそのまま残したことも確かだが、それ以上に応対する店の人が“もてなしの心” でお客様を迎えている事が大きいと私は思う。へたくそかも知れないが、わざとらしくなく素直な気持ちで心から接待している。だからお客さんも気楽に話しかけてくれる。私もかって大手量販店の接客・販売指導・社内教育を何店か行っていた事があるが、おはぎ屋(ボランティアガイド)の人(店内接客は女性が主)はすべて“素人”で接客の教育などは特別受けてない。なのにお客様の気持ちは、良く分かっているようだ。 (“歳のこう”だとはあえて言わない、失礼)


結局、接客とは形ではなく“心” もてなしの気持ちが有るか無いかである。この事は特別な投資(お金)もいらない、この山麓にお客様が来ていただけるどうかは、まずもてなしの心が関係する人にあるかどうかにかかると思う。
『もう一度“白山麓”行ってみたい』 そんな気持ちにさせ =“ようござった”の心でつくるもてなしの里=  を少しでも実現するように関係する方々と地道に今後も努力して行きたい。


今日も『石川県の観光事業』の現状や『おはぎ屋』の視察で、雪混じりの雨の中わざわざ九州佐賀県の観光連盟の責任者が二人来られた。夜は又 おはぎ屋で『表参道振興事業協同組合』の新商品開発のセミナーが行われていた。とにかくこんな田舎の町でも、思考錯誤しながら“地域振興活性化”の努力が繰り広げられている。


☆おはぎ屋紹介HP(現在作成中3月UP予定)下記参照http://www.gogo8934.jp/contents/sightseeing/ohagiya.html

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★くつろぎの広場
  『何したい?・・・』
  ・学びたいなら、ロンドンへ行け
  ・食べたいなら、パリへ行け
  ・着たいのなら、ミラノへ行け
  ・聴きたいのなら、ウィーンへ行け
  ・踊りたいのなら、リオデジャネイロへ行け
  ・稼ぎたいなら、東京へ行け
  ・死にたいんなら、バグダットへ行け

               (世界の日本人ジョーク集より)
★歳時記
・冬の雷に、醒めし眠りを、継がんとす  中村草田男




☆『おはぎ屋』と店内 (撮影:1月27日午前)

☆雪のおはぎ屋 (撮影:昨年12月29日)