日本の玄関口と、二つの空港のある県、 54

isikawanokinsan2007-01-23

午後から仕事の関係で、東京から来るお客様を迎えに小松空港まで出かけた。
ところで、石川県は以前書いたが、人口・面積・生産などおよそ何でも全国の約百分の一であるが、ここに二つの空港がある。こんな小さい県で小松空港と最近出来た能登空港が有る。能登に空港が出来たのは2〜3年前であるが、こんなところに空港を作って誰が乗るの?と地元でも言われたが、地元の人の努力で小松空港と並び搭乗率も日本で上位で有る。最近は“和倉温泉”などに韓国、台湾からの観光チャーター便も増えて来たらしい。
能登についてはいずれ詳しく紹介したい思っているが、能登はやさしや海までも”と言うように、人情に厚く、昔から加賀や金沢とは又違った面もいろいろ有る。


今は仙台・東京・横浜・名古屋・大阪と大都市はほとんど太平洋側に面しているが、これは比較的新しい時代のことで、昔は日本海側が表玄関であった。現に昔の地図では今とは逆に描かれており、日本海(北陸)がいずれも中心として描かれている。
それは大昔、日本は大陸とつながっていたのが、長い年月の内に大陸から徐々に分離し、そして今の日本海が出来上がった。それ以後も、いろんな文化や道具が大陸(中国・朝鮮) から伝わり多くの人が渡来し、(当時飛行機など無いから日本海を船で行き来した。) 大陸にもっとも近かった九州はじめ、この北陸(越の国)山陰の港も大いに賑わったようだ。今の太平洋側の大都会と同じで、人が集まれば商売や娯楽なども盛んで人口もかなり多かったと考えられる。
その後、時代は変わり、都は奈良・京都と移り、三河出身の信長・秀吉・家康の出現により、日本の中心は江戸へ、さらに“黒船”の来襲により米国と近い太平洋側へと移った。 (ちなみに渤海使”は727〜922年まで35回日本に渡来し、その内、北陸地方に21回も来着している。)


最近中国が“新車の生産台数”でも日本を上回ったと聞く。中国や韓国などはまだまだ内部に問題を抱えているが、何しろ発展途上国は元気がいい。そのうちアジア諸国との貿易がもっと盛んになれば、いつの日か又 日本海の時代” がくるとも限らない。

小松空港のチョツト手前に市内を流れる“梯川”(かけはしがわ)が有る。この川に架かる橋の欄干に、謡曲 “安宅” や歌舞伎 勧進帳で有名な安宅の関の弁慶・(義経)と富樫の伝説を思い出させる石像があった。 突然ゴーとすごい耳をつんざく大きな音がした。上空を見上げると二機の編隊飛行するジェット機が真上に見えた。続いて又二機現れた。わずかな間隔で見事な編隊飛行を見せる。そういえばここは小松の自衛隊の基地が有るし、北朝鮮とももっとも近い。我々は知らないが、聞くところによると スクランプル出動は通常でもかなり頻繁らしい。普段そんな事は何にも感じず生活しているが、ここへ来ると世界の中の起でおきている危険を、わずかではあるが感じる。  
勧進帳のように中国・韓国・北朝鮮と “阿吽(あうん)の呼吸” でうまく行かないものか・・・)


飛行機が着いた。東京から来た取引先の人は、開口一番少し拍子抜けした感じで 『まったく雪無いね。』 だった。
私もこんな雪の降らない冬は、記憶では始めてだ。今日も風も無く穏やかな日である。かろうじて雪のあるスキー場は、このところ少しは賑わっているようだが、もしあと数日(5〜6日)平野部で雪が降らなかったら。1月に金沢市内に積雪が無いのは観測記録が残る1886年(約120年前)以来初めての記録らしい。
地球温暖化”や“エルニーニョの影響”とは言うものの、何だか不気味な感じもする。


小松から金沢に向かう車の中から遠くにかすむ“霊峰白山”や“医王山の山並み”が今日も、きれいに眺められた。

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★一口メモ
小松市県の南西部に位置し、県下では金沢市に次ぐ商工業の盛んな都市で、建設機械の小松製作所(現コマツ)の関連企業が多く、基地の町として航空自衛隊小松基地がある。この地は縄文前期から始まり、弥生中期の遺跡などもあり、鎌倉時代まではまだ湿地帯で北部の丘陵地帯が中心、前田利常(三代藩主)の隠居城として小松城が使われてから栄え、加賀平野での農業や、撚糸業も盛んで安宅関跡・小松天満宮・那谷寺・粟津温泉などが有名。
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★くつろぎの広場
・見合い写真、三月(みつき)旅して、帰り来る
・やせていた、証拠にスカート、とってあり
・万病に、効くと言うので、やめにした
                                 (万能川柳より抜粋)
★歳時記
・冬ぬくく、鴎(かもめ)を追うて、沖へ行く  (泉 春花)






小松空港航空自衛隊小松基地と“勧進帳”の里に立つ弁慶像 (撮影:1月23日午後)