足で知る、ふるさとの文化。 52

isikawanokinsan2007-01-21

私はたまに頼まれて朝夕、チラシ配りのアルバイトをすることが有る。何故かと言うと、わずかな小遣い銭稼ぎにもなるが、むしろ自分の健康の為と、実際に歩いてみてふるさとの街をいろいろ知る為である。


ようやく風邪が治った今日も、朝早く我が家から少し離れた石川県白山市 旧鶴来(つるぎ)町を歩いてチラシ配り。この町は以前少し書いたが、昔は金剱宮(きんけんぐう)の門前町として、藩政時代(江戸時代)は宿場町として大いに栄えた町で有る。
その名残りか、どこからどこまでが敷地か分からないほど立派な家が数多くある。反面その裏手の路地にはそれと正反対の家もたまにある。まるで最近盛んに話題にのぼる 格差社会 を見ているようにも思える。しかし人間の幸せは外観だけでは計れない、『本人が幸福だと感じればそれが一番幸せ』 これが人間社会の面白いところでも有るし平等だとも思える。
実際に歩くといろいろ目に付く。書くと限りがないので、今日はひとつだけ感じたことを書く。それは玄関にチラシを配っているだけでその家の状態がわかる事である。庭や玄関先に置いて有るものや、車や自転車などでその家の家族構成や趣味などもよく分かるものだ。改めて思うが確かに日本人は物持ちだし、又反面家の中を覗かれるようで怖い感じもした。


午前中は久しぶりに白山(ひめ)神社表参道の“おはぎ屋” を出発し“地元の人達”(お年寄りがやや多かった。) 20名ぐらいを、いつも住む地元の自分たちの街中をサブガイドとして案内したが、自分たちの住む町を意外と知らない事に、ただ驚くばかりであった。(最近ガイドして思うのは誰でも、自分のふるさとは意外に知らないものである。)


途中昔の商家を今に残し、無料休憩所として使われている“ふるさと館”で別れ、『ふるさと歴史研究会』 の定例会・新年会に出席した。このメンバーの中では私が一番若い、ずっと以前から地元の歴史を研究している人ばかりで、講師や論文発表している人もいる。自分の研究成果を例会で発表するのだが、その説に対しけんけんがくがくと論争になる事もある。これが又面白いのだ。以前にも書いたが、我々はその時代生きてた訳ではない、だから歴史にはいろいろ“説”が出て来て当たり前なので有る。いつも最後は笑いながら、決着つかず引き分けに終わる。歴史を知れば知るほど時代はさかのぼり、ついには神代(世)の時代に行き着く、実祭メンバーの中にはルーツを探るため日本中を駆け巡り、最近は中国大陸や朝鮮半島まで足を伸ばそうとする先輩もいる。(たかが地元の歴史でも、深く探るといろいろ結びついて限りがなくなるようだ。)


新年会を中座し、今度は小松市で開かれている埋蔵文化財講座”『弥生時代の祭りと伝統』 特別講師:金関 恕先生(大阪府弥生文化館長) を聞きに行った。会場は満席で、お年寄りばかりかと思っていたが若い人もかなり来ていた。(仕事に、家庭に忙しいのか中年の人は少ない) 難しい内容を自分の説も入れながら丁寧に分かりやすく話してくれた。
最後に『今まで私が話したことは、すべて“嘘”かも知れない。』 と会場を笑わせた。 又時代の進歩を思うと21世紀には『今話している事がまったく語られない時代が来るかも知れない、だから先生にすべて任せるのでなく、自分の子供直接、自らが伝えてほしい』 と締めくくった。 考えさせられる言葉で有る。


帰りに小松市から見る“霊峰白山”は雪を頂き一段ときれいに見えた。(実際小松市にある柴山潟から見る白山が一番きれいと言われ、その景観を残そうと言う運動も始まった。)

どうも明日から又天候が崩れそう、それから戻って夕闇迫る町にチラシ配りをし、バタバタした一日を終えた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

★くつろぎの広場
【歴史クイズ】(初級編、3タク)
仁徳天皇陵大阪府堺市)と東京ドームではどちらが大きいか?
 ①東京ドームとほぼ同じくらい
 ②東京ドームの方が高いが、広さはドームの2倍ぐらい
 ③東京ドームの方が高いし 大きい
                                 (答えはページの最後)
★歳時記
・大学を、出て山男、ちゃんちゃんこ  (福田蓼汀)




小松市から見た霊峰白山 (撮影:1月21日夕)

☆ふるさとの歴史・文化探訪 (撮影:1月21日午前)
 
☆ふるさと歴史研究会と埋蔵文化財講演会 (撮影:1月21日)


※クイズ答え:② (東京ドームは高さ56m、広さ46,755㎡、高さで20m高いが広さは古墳が2倍)