残したい地名とふるさとの味。 42

isikawanokinsan2007-01-11

午前中、国道8号線を福井方面にに向かった。県境を越えるとあわら市と道路標識が有った。以前は金津町であったが、『芦原町』と合併し“ひらかな”読みとなったのだ。よく分からないが、『芦原』(あわら)は字からしてこの地は昔、きっと芦(あし)が生い茂る原っぱで温泉が湧き出ていたのだろうと思う。

ふと昨年群馬・栃木県の“わたらせ峡谷”沿いに日光へ向かって一人旅をした時を思い出した。
標識にみどり市と出ていた。このあたり『大間々町』とか言ってちょっと変わった名前のはず、私の新しいカーナビにもみどり市は出てこない。地元の人に聞くと、この辺は合併問題でいろいろもめて、結果として差しさわりのないこの地名になったとか。それにしても全国どこにあってもおかしくない地名である。日本全国『平成の合併』でいろいろあり結果的に歴史上由緒有る地名がずいぶんと消えたし、”ひらかな読み”も多く登場した。


“ひらかな”の持つ響きの“やわらかさ”これはすばらしい日本の文化であるが、意味が分かりにくい。一方『漢字』で書くことにより、この場所が昔からの何らかの“由緒有る場所”であるとだいたい推察がつく。古くは中国から伝わり慣れ親しんだ漢字、これを元に日本独自の丸みのあるやわらかい“ひらかな”が登場したのだが、意味は漢字のほうが良く伝わる

金沢の町も、一時期新しい町名が数多く登場したが、最近元の町名に戻す動きが活発になってきた。私はいいことだと思う。
なかなか読みづらい地名も有るが、変にすべてをひらかな英語などに変えるのではなく、読みは下にアルファベット(ローマ字)で表示すれば、外国人にも分かるし、そもそも今の子供は小学校で英語を習う時代、しかも戦前のお年よりは漢字にめっぽう強い、漢字が読めなければ年寄りに教えてもらえばいい。何もかも“かな”にすればいいとは限らないと思うのだが・・・・読めない漢字も面白いではないか。(そう言う私は英語と漢字は苦手、パソコン頼りだが・・・)


姓(日本の姓の多さは世界トップ)や地名はずっと引き継がれ、又後世に引き継ぐものであろう。急ぐことはない、変える時はもっと慎重で有らねばならないと思う。
今、道州制も検討されているが、何でも行政改革という名の下で歴史・文化を安易に壊してはならないと思う。すべてを、お偉い先生方に任すだけではなく『自然破壊』 と同じレベルで、みんなが考える必要があると思う。


午後は地元で冬のふるさとの良さを知ってもらうと同時に、山里の活性化のため、地元の老舗旅館や料亭(9軒)が一緒になって、“地元の食材”を使っての“鍋料理(山家鍋)ツアー”を企画したのでその試食会へと出掛けた。
『熊・鹿・猪・兎・鳥』の肉、『鱈・川魚』の魚、堅豆腐、山菜は言うに及ばず、たっぷりおいしい鍋料理、食材は自分達の手で取ってきたものを、かなり使っていると説明があった。それぞれが独自のおいしい地元の味だ。

一方、白山(ひめ)神社の表参道の古民家を復活させ、今地元で話題になっている『おはぎ屋』 でも新らたに素人がつくる“我が家自慢の料理”が限定で食べれる『ワンデーシェフ』のノウハウを導入し、地元のふるさとの味を提供しようとしている。


目立った産業もないし、商業都市でもない、限られた資源の中“全国各地の田舎”では必死でこのような取り組みが行われようとしている。

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★くつろぎの広場
【ふるさとクイズ】
・こんにゃくのふるさとはどこ?(3タク)
 ①ロシア  ②インド  ③アメリカ      

                        (答えはページの最後です。)
★歳時記
・風花(かざはな)や、波路のはては、空青き   (水原秋櫻子)




☆山家鍋と試食会会場風景 (撮影:1月11日夕)


  ※クイズ答え: ③インド(セイロン)