散髪屋さんで学んだ、商売の基本。 41 

isikawanokinsan2007-01-10

朝、仕事にかかる前、散髪屋さんに寄った。家からは少し離れてはいるが、金沢の郊外“御経塚”(縄文遺跡の竪穴式住居跡が在るところ)と言うところにある。
私は50歳を過ぎた頃から、髪に白いものが混じりはじめ、次第に薄くなってきた。いわゆるバーコードの頭になってきたが、隠し切れなくなり4〜5年前からは短くスポーツ刈りにした。(もっとも頭のてっぺんはしょぼしょぼで産毛のようだが・・・)
従ってどう刈ってもさほど変わらないので、最近町でよく見かける“格安理髪店”に行くようになった。

以前は今日行ったところのすぐ近くの、別な店に行っていた。
ここの店員さんは中年の男性が数名とパートのおばさんが1名でやっているいる。効率よく分業化され、なるほど安くて早い。時々新人の店員さんがマスターから怒鳴られている。散髪されている私も、つい上司からしかられている感じで緊張する。
そこまで叱らなくても・・・お客さんをも、まるで物のように扱う。果物の皮でもむいてる様だ・・・でも安いので良く行った。

しかし1年目前ぐらいに、すぐ近くに別なライバル店がオープンした。
中は豪華ではないがしゃれたつくり、店員さんも若い人(男女)ばかりで、年配の私は少し違和感を覚えたし慣れてないのか少しぎこちなかった。


今日もその店に行った。平日だが駐車場は満車だし中も人は多かった。
若いかっこいいお兄さんが、刈り上げてくれた。
何度も私の頭を眺めながら又ハサミを入れる。(私は、どう切ってもそんなに変わらないと私は心の中であきらめてはいたが・・・) 次に別な若い女性が、顔をそり頭を洗ってくれた。次に又別な女性がクリームなどをぬり、仕上げをしてくれた。櫛(くし)を手で持ちながら『前と上はどのようにしましょう?』 思わず私は苦笑した。だいたい私はすく髪がないのだ・・・彼女は気がついたのか、申し訳なさそうにする様子が鏡で分かった。それから頭マッサージ、肩もみ、眉毛も長いからと整えてくれた。最後はお兄ちゃんが又確認しなおした。

帰る時、先ほどの女性がハンガーから私のボロコートを取り、後ろから肩にかけてくれた。(何だか偉くなった気分) これで何と1680円(シルバー料金)だ。外は冬の冷たい小雨が降っていたが、気分晴れ晴れ!少し申し訳ない気もした。
帰り道、以前行っていた散髪屋さんの前を通ったが車は少なかった。


昼ご飯を県庁の近くで食べることになっので、新県庁の最上階水墨画展もやってるし、久しぶりにチョツト展望室に行ってみたくなった。田んぼの中に新しく建ったひときは高い県庁ビルは、見晴らしは最高、雨に煙る金沢港や医王山の山々、金沢の町も一望できすばらしい眺めである。
帰る時、エレベーターや廊下ですれ違う職員(特に年配の人)が手をポケットに突っ込み、ツッカケを引きずって歩く姿は、民間で長く働いた私には何かしら少し違和感を感じた。
何も目くじらを立てる事も有るまい。お昼休みだし、ラフなスタイルも、まあいいではないか、最近の公務員は仕事も大変と聞く。それにチョツトしたことで世間から突っつかれるし・・・・


それにしてもあの散髪屋さんの若い人達は、良く教育されお客さもの心を捕らえている。“商売の基本”で有るがなかなか出来ないことである。 
『頑張れ、発展を祈る。』

【追記】男は女性の思う以上に“髪の毛”は気にしているものである。特に40〜50の男性にそれを言うと、顔では笑っていても心はかなり傷ついている。女性に太っているとか、ブスだと言うのと同じで、ある意味逆“セクハラ”といえる。(ちなみに私は今は傷もつかなくなった。) 最近は中高年男性の、“毛染め・かつら”もかなり多いのは、その現れであろう。

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★くつろぎの広場
・大声で、怒鳴る課長の、歯にガムが  
・ベテランと、言われ引き際、考える
・なんなりと、言ってください、カネ以外

                   (万能川柳より抜粋)
★歳時記
・くちびるに、湯呑みの厚み、冬の夜   (大井雅人)




☆県庁と展望室から見た発展する金沢港  (撮影:1月10日昼)